ドクターイエローを駅や沿線で撮影するとき、守るルールは? 三脚やドローンは?
JR東海:個人の範囲なら妨げない。ただし条件がある
JR東海の「よくいただくご質問」は、駅構内や車内で動画や写真を撮ってもよいかという問いに、お客様が個人で楽しむ範囲(旅の思い出づくりなど)で写真や動画を撮ることは妨げていない、と答えています。一方、収益性のあるサイトへの投稿など、営利目的の撮影は、JR東海の敷地内では原則としてお断りしている、とも書かれています。[1]
撮影するときに守ってほしい注意事項は、三つに分かれています。機材については、新幹線ホームと在来線ホームを含む駅構内で、三脚・一脚・脚立・モニターなどを使わないようお願いしています。ホーム上では、黄色の点字ブロックの内側で撮影すること、というお願いも添えられています。[1]
安全面では、ホームで自撮り棒を使うときは感電のおそれがあるため、架線に向けて使うことは絶対にやめてほしい、撮影中は列車や他のお客様との接触に十分注意してほしい、と書かれています。周囲への配慮としては、混雑時などには撮影を控えるようお願いする場合があること、他のお客様の迷惑になる行為があれば係員が注意すること、無断で他のお客様や係員を撮影するのはやめてほしいことが挙げられています。[1]
JR東日本:趣味の範囲なら禁止していないが、避けてほしい行為がある
JR東日本の「よくあるご質問」のうち、電車内や駅構内で列車などを撮影したいという問いへの回答では、収益を得る動画共有サイトへの投稿などの営利目的を除き、個人的な趣味の範囲での録音・撮影は、安全上の問題がなく他のお客様の迷惑にならなければ禁止していない、と案内しています。[2]
同じ回答は、列車の運行に支障をきたすおそれのある行為として、運行中の列車へのフラッシュ撮影、ホームでの脚立の使用、立入禁止区域での撮影や録音を避けるよう求めています。あわせて、他のお客様とのトラブルにつながるおそれがあるため、周りへの配慮もお願いしています。JR東日本の駅で撮るときの決まりは、JR東日本の案内でお確かめください。[2]
JR西日本:ホームでの自撮り棒の禁止と、仕事の撮影の窓口
JR西日本は、新幹線と在来線のホームでの「自撮り棒」の使用を、2015年9月19日から禁止しています(2015年9月17日の発表)。対象はJR西日本エリアのすべての駅で、列車との接触や架線に近づいて感電する危険があるため、一律の禁止としています。釣り竿・スキー板・弓・録音機材といった長い物を高く掲げることも、あわせて禁止としています。山陽新幹線の駅で撮るときは、棒状の物を高く上げないよう気をつけてください。[5]
映画やテレビドラマの制作など、仕事としての撮影は、JR西日本の「ロケーションサービス」が窓口です。撮影を希望する日の14営業日前までに連絡すること、原則は平日の10時から16時までで年末年始やゴールデンウィークなどの混雑期は断られること、基本料金として撮影費が1日36,300円(税込)かかることが、よくいただくご質問に示されています。営業列車の車内での撮影は、周囲のお客様の同意を得ることが条件です。ニュースや新聞の取材は、ロケーションサービスの対象外で、広報部に相談する扱いです。[6]
JR東海にも、法人向けに有料で駅構内や車内での撮影を引き受ける「JR東海ロケーションサービス」があります。個人の営利目的の撮影はお断りしており、個人(YouTuberやインフルエンサーなど)やサークル・部活動などの団体からの撮影の申込みは原則受けていない、という注意書きがあります。生放送やライブ配信、社員や他のお客様へのインタビューをともなう報道・取材の撮影は、サービスの対象外とされています。[7]
鉄道営業法:敷地に入る・標識を動かすことの罰則
鉄道営業法の第37条は、停車場そのほか鉄道地内にみだりに立ち入った者を科料に処す、と定めています。条文の詳しい引用は「見られる場所と見分け方」のページにあるので、ここでは関連する条文を見ます。第42条は、第37条の罪を犯したときなどに、鉄道係員が旅客や公衆を鉄道地外へ退去させることができる、と規定しています。つまり、入ってはいけない場所に入ってしまったときは、係員から敷地の外へ出るよう求められることがある、と条文からは読めます。[8]
第36条は、車両・停車場そのほか鉄道地内の標識や掲示を改ざんしたり、壊したり、撤去したり、灯火を消してその役目を失わせたりした者を、2万円以下の罰金または科料に処すとしています。同じ条の第2項では、信号機を改ざんしたり、壊したり、撤去したりした者は3年以下の拘禁刑です。撮影のために「立入禁止」などの掲示や標識を動かすことは、この条文に触れるおそれがあります。e-Govで確認した条文は、2025年6月1日施行の改正を反映した版(罰則の表記が拘禁刑になった版)です。[8]
新幹線特例法:線路内への立入りと、列車への投げ込み
新幹線鉄道における列車運行の安全を妨げる行為の処罰に関する特例法(以下「新幹線特例法」)の第1条は、新幹線の列車がその主たる区間を時速200キロメートル以上の高速で走行できることにかんがみ、運行の安全を妨げる行為の処罰について、鉄道営業法の特例などを定めるものだとしています。ドクターイエローが走る東海道・山陽新幹線は、この法律の対象になる新幹線鉄道です。[3]
第3条は、列車の運行の妨害となるような方法で、みだりに物件を新幹線鉄道の線路上に置いたり、これに類する行為をしたりした者、および新幹線鉄道の線路内にみだりに立ち入った者を、1年以下の拘禁刑または5万円以下の罰金に処すると定めています。この条文でいう「線路」は、軌道と、これに付属する保線用通路その他の施設のうち、軌道の中心線の両側について幅3メートル以内の場所にあるもの、と定義されています。鉄道営業法第37条の科料より重い罰則です。[3]
第4条は、新幹線鉄道の走行中の列車に向かって物件を投げたり、発射したりした者を、5万円以下の罰金に処すると定めています。第2条は、自動列車制御設備や列車集中制御設備など、列車の運行の安全を確保するための設備を壊したり、機能を損なったりした者を、5年以下の拘禁刑または5万円以下の罰金とし、これらの設備をみだりに操作した者は1年以下の拘禁刑または5万円以下の罰金としています。[3]
ドローンで撮影するとき:航空法と国土交通省の案内
国土交通省の「無人航空機の飛行禁止空域と飛行の方法」のページは、空港等の周辺、緊急用務空域、150メートル以上の上空、人口集中地区の上空で無人航空機を飛ばす場合には、あらかじめ国土交通大臣(申請先は飛行エリアを管轄する地方航空局・空港事務所)の許可が必要だと案内しています。許可があっても、緊急用務空域を飛行させることはできない、とも書かれています。飛ばす前に、その空域が緊急用務空域に設定されていないか確かめるよう求めています。[4]
飛ばす場所にかかわらず守るべき方法として、アルコールや薬物の影響下で飛ばさないこと、飛行前確認をすること、航空機や他の無人航空機との衝突を予防するように飛ばすこと、他人に迷惑を及ぼすような方法で飛ばさないことが挙げられています。夜間の飛行、目視外の飛行、人や物件との距離を確保できない飛行などは、地方航空局長の承認が必要です(機体や操縦者の条件を満たす場合は例外もあります)。航空法に定めるルールに違反した場合には、罰則が科されると注意されています。[4]
小型無人機等飛行禁止法の対象空港の周辺地域では、小型無人機等の飛行は原則禁止で、飛行させるには空港管理者の同意や都道府県公安委員会への事前通報などが別に必要です。航空法令のほか、関係法令や地方公共団体が定める条例も守るようにとされています。鉄道の線路や駅の敷地の上空を飛ばしてよいかどうかについては、国土交通省のこのページには書かれていないため、この記事では判断しません。[4]
撮影の前に、もう一度確かめたいこと
ここまでに出てきた公式の案内を並べると、共通するのは三点です。一つめは、ホームでは黄色い点字ブロックの内側にとどまり、三脚・脚立・自撮り棒などを使わないこと。二つめは、線路内や、立入りが禁じられた区域には入らず、列車に物を投げたり、設備に触れたりしないこと。三つめは、営利目的の撮影や、ドローンなど特別な機材を使う撮影には、別の手続きや許可が必要になること、です。[1][2][3][4]
ドクターイエローがいつ走るかは、JR西日本が検測運転の日時を公表しないとしています。日時を調べて待ち構えることより、普通の新幹線を撮る機会に、同じルールを守って撮影を楽しむことを心がけたいところです。撮影ルールは各社・各駅で変わることがあるため、迷ったときは駅の掲示や係員の案内に従ってください。[9][1]
関連するページ
出典
- JR東海「よくいただくご質問:駅構内や車内で動画や写真撮影をしてもよいですか?」(2026年11月5日に確認)
- JR東日本「よくあるご質問:電車内や駅構内で列車等の撮影をしたいです。」(2026年11月5日に確認)
- e-Gov法令検索「新幹線鉄道における列車運行の安全を妨げる行為の処罰に関する特例法」第3条(2026年10月27日に確認)
- 国土交通省「航空:無人航空機の飛行禁止空域と飛行の方法」(2026年11月5日に確認)
- JR西日本「ホームでの「自撮り棒」の使用を禁止させていただきます」(2015年9月17日)(2026年11月5日に確認)
- JR西日本「ロケーションサービス:よくいただくご質問」(2026年11月5日に確認)
- JR東海「よくいただくご質問:JR東海が保有する駅や鉄道車両内で撮影をすることは可能ですか?」(2026年11月5日に確認)
- e-Gov法令検索「鉄道営業法」第37条(2026年10月27日に確認)
- JR西日本 ニュースリリース「500系新幹線&「ドクターイエロー」T5編成の引退について」(2026年6月22日・PDF)(2026年10月27日に確認)